学校の除染「効果」と「限界」

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学校の除染「効果」と「限界」

2011年07月15日

学校の除染「効果」と「限界」

放射能から子どもを守る

編集部　岩田智博

　福島第一原発から北西に約60キロ。創立139年の福島市立福島第一小学校は、県庁やＪＲ福島駅のすぐ近くにある。

　人口29万１千人の福島市の中心部に位置するのに、少子化のせいもあって児童数が180人、１学年１クラスというこの小学校に、県庁の職員のほか独立行政法人日本原子力研究開発機構や、福島大学の専門家ら作業着姿の総勢50人が、報道陣を引き連れてやってきたのは６月26日のことだった。

　子どもたちを取り巻く放射能の不安。それを少しでも減らすために、福島県が初めて「除染」に乗り出した。第一小はその実証実験の第１号に選ばれた。

　県内の保育・幼稚園や学校の放射能対策としては、園庭や校庭などの表土除去が一部で行われているが、それだけでは十分ではない。原発から飛散した放射性物質は、ごみや枯れ葉、雑草や木の根元、さらには雨水がたまりやすいコンクリートの窪みなどに長く留まり、高線量の放射線を出し続けている。

　そうしたものを取り除き、あるいは洗浄することで、学校及びその周辺全体の放射線量がどこまで低減可能か、最も効果的な方法は何かを調べるのが、実験の目的だ。

　その「除染」には、大別して二つある。まず、校舎の隅や屋上などにたまったごみや落ち葉を取り除いたり、土砂の撤去や除草など放射性物質が付着しやすいものの直接除去。もう一つが洗浄で、ブラシやタワシでこすり落としたり、高圧洗浄機で水を噴射したりして洗い流す。

　効果は大きかったーー。

岩田智博 , 福島市立福島第一小学校 , 福島第一原発 , 除染