昼前の駅前通りはまだ人通りは少なかった。辺りは蒸し暑くなりはじめていて、私の背中 ...
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AERA-net.jpの記事でタグ「ハングリー」が付けられているもの
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <60>
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <59>
大賀(たいが)と病院で別れてから、2ヶ月が過ぎた。 あれ以降、私は彼の姿を街で見 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <58>
私と大賀(たいが)は、病院の屋上で、暮れかかる空を二人並んで見つめながら、話をし ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <57>
それから一週間後。 私は丘の上の病院を訪れていた。 桃奈(ももな)さんの ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <56>
私のマンションまで歩く道すがら、私は大賀(たいが)との会話を頭の中で繰り返してい ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <55>
「食パンくらいしか家にないや。徹夜明けに食べるなんて変だけど、朝ごはんにしてもい ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <54>
その晩、私と大賀(たいが)は、明け方までベッドの中で話をした。 彼は、服 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <53>
その夜、私は大賀(たいが)とひとつになった。 私たちは、酔っていた。 オ ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <52>
人を癒すなんて、難しいですよね、と、大賀(たいが)はさみしそうに笑った。 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <51>
「それより温泉は、楽しかった?」 私が水を向けると、彼はまたうなだれた。 「温泉 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <50>
大賀(たいが)のマンションのチャイムを鳴らすと、コンクリ打ちっぱなしの灰色のおし ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <49>
私は夜の街を歩いていた。 大賀(たいが)の店が休みなのでどこにいったらいいのか、 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <48>
話すと長くなる、と彼女が言うので、私たちは駅ビルのカフェに入った。 全面ガラス張 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <47>
水曜日、私は『のんある』の前まで行って、足を止めた。 いつもなら温かく灯っている ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <46>
日曜日の昼間なので、丘の上の病院に向かうバスには見舞い客らしき人が十人以上乗り込 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <45>
次の日曜日、私はどこに行くあてもないのに、朝からただ、町の中を、ぐるぐると回って ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <44>
大賀(たいが)の部屋を訪れてから1週間で、私の生活はだいぶ変化していった。 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <43>
「......困るよね。幸せだったか? なんて突っ込んだ質問されたら。ごめんね」 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <42>
大賀(たいが)の太ももには、意外なほど肉がついていた。 それは贅肉ではな ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <41>
その夜、私は大賀(たいが)の部屋に行った。 「これなら苑花(そのか)さんが食べ ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <40>
私と大賀(たいが)は、その日、明け方までたくさんの話をした。彼は、カウンターの隣 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <39>
その夜、私はずいぶん長い時間、大賀(たいが)と二人だけで店で過ごした。 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <38>
彼女の強さに私は驚いていた。 「不安とか、なかったですか?」 「あったわよ。彼に ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <37>
横山さんは、5分ほどトイレにこもった後、口元をピンク色のハンカチで押さえながら、 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <36>
私の目の前に差し出されたのは、懐かしい香ばしさが漂う濃いオレンジ色のドリンクだっ ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <35>
『のんある』に行ったのは、10日ぶりだった。 店のドアを開けても、大賀(たいが) ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <34>
漢方の不快感は、丸3日も私の体から抜けなかった。少しずつ悪寒(おかん)が取れてい ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <33>
その日の夜、私は眠れなかった。 不安やストレスのせいではない。 激しい悪寒(おか ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <32>
翌日、私は漢方薬局のおじいさんに不満を訴えた。 「全然良くならないんです」 ほん ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <31>
春の嵐から、2週間が経った。 最初の1週間は、大きな変化はなかった。 私は『のん ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <30>
窓を、雨と風が叩きつけている。 春の嵐にしては少し、今夜は激しかった。 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <29>
桃奈と僕は、大学時代の同級生なんです。お互いに住んでいるアパートが近かったせいも ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <28>
大賀は、いつもやっているのだろう、ごく自然に彼女の隣に腰掛け、 「今日は、苑花 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <27>
大賀は、覚えていてくれたのだ。 私が彼に、ねだっていたこと。 「私は映画 ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <26>
母を送り、駅を出た時に降り出した雨は、私のアパートに着く頃には、雷を伴い始めて ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <25>
電車の窓から、母は、私を心配そうに見つめていた。私は彼女のその表情に気づかない ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <24>
週末、私は、お祓(はら)いをされていた。 目の前では護摩(ごま)をくべ続けてい ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <23>
私が抱いた疑いは、すぐに晴れた。 「彼の写真見る?」 と横山さんがケータイを差し ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <22>
横山さんはびっくりしたような顔で、あやまってきた。 「ごめんなさいね、つい、暗い ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <21>
「ガンだったの」 柔らかい声でなんてことなさそうに横山さんが発したけれど、それ ...
ハングリー!〜 飢えてる私の心と体〜 <20>
彼女の苛立ちはかなりのものだったらしく、帰りがけには、 「今度は私とも映画に行 ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <19>
春にしては気温が高めな、半袖でも平気なくらいの日に、私は『のんある』の扉を開け ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <18>
頭にかっと血が昇った。 「僕、何も食べなくても生きている人を知ってますから」 だ ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <17>
「なんで、そんなこと、言うの?」 私はびっくりして彼に尋ねた。若くて結婚もまだし ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <16>
二人で向かい合ってお茶をしていると、自分はごくごく普通の生活ができているかのよう ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <15>
映画館の前には、大賀が先に到着し、ガラス張りの壁にもたれながら、ケータイをいじっ ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <14>
私は少しずつ、前を向こうとしていた。 毎朝晩、漢方を飲み続けようと思うようになっ ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <13>
ドアについていた、小さな鐘の形をしたチャイムが柔らかな音を立て、それを聞いた誰 ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <12>
私はシャワールームにふらふらと歩いていった。何日も食べていないくせに、足下も寝起 ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <11>
翌朝、目を覚ました私は、胸の辺りがスウスウするのを感じた。 計6つも、 ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <10>
大賀の顔は、間近で見ても、どこか思慮深げで、瞳の色には深みがあった。 前 ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <9>
大賀が出してくれたのは、バラの花びらが浮かんだハーブティーだった。乾燥させた花び ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <8>
ドアを開けた途端、その場の空気が、ふわっと私を包み込んだ。懐かしいような、甘っ ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <7>
ハリの先生が指差してきたのは、私の胸と胸の真ん中だった。 「ここに、い ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <6>
その翌週、私は、鍼灸師のところにいた。 以前、友だちがメールで教えてくれた先生の ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <5>
あなたが飢えているように見えたから、などと大賀が言うものだから、私は驚いて黙って ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <4>
食欲というものを失ってしまって以来、飲み物に関しても、私はとても敏感になっている ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <3>
『のんある』にようこそ! 『のんある』は、その名のとおり、アルコールなし ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <2>
私は食欲を失った。 飲みものは通るのに、少しでも固形分があると、それは ...
ハングリー!〜飢えてる私の心と体〜 <1>
ある朝のこと、目覚めると私は、どんな食べ物も受けつけない身体になっていた ...