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目的は経済成長/それが外交?本気かい前原さん
前原外相は、日本外国特派員協会で講演し、「経済を成長させることが最優先だ」と外交方針を語った。
軍縮、核廃絶、気候変動などを列挙し「外交は国力そのもの。身の丈以上のことはできない」として、「国力を高めるには経済成長が欠かせない。経済外交が基本だ」という外交観を披瀝した。
中国漁船の船長釈放の直後だっただけに、「経済への配慮」が譲歩につながったとも聞こえる発言だった。外交の柱として挙げたのが「自由な貿易、資源・食糧の確保、技術・インフラ産業の輸出」などだ。
外交力=国力=経済力という前原さんは、ノルウェーの外交をどう見ているのだろう。圧力に抗して中国人人権活動家にノーベル平和賞を与えた姿勢はさすがである。対抗措置を連発する中国の威圧的態度が世界に印象付けられた。経済力で計ればノルウェーは日本の10分の1だが、外交舞台での存在感は遥かに上である。
経済が外交の力なら戦後の日本は大活躍できたはずだ。安保理の常任理事国になっても不思議ではない。ところが「日本に議席を与えれば米国に一票増やすだけ」と言われてきた。理念や自主性がなければ、外交でも経済は力にならない。
成長を外交目標に置くのも『坂の上の雲』の時代の発想ではないのか。昨日より豊かな明日を求める人々の気持ちが分からないでもないが「成長の代償」が地球上で問題になっている。一人当たりGDPが300万円を超える先進国が、いつまでも成長を追い求めるわけにはいかない。限られた財や資源を適切に分配し、豊かさを共有する世界を創るのが次代の課題ではないのか。
現実は逆向きだ。多くの国が失業者や貧富の差、財政難をかかえ、経済規模を膨らますことで不安を拭おうと必死だ。国家資本主義とも言える中国が存在感を強め、経済的利害を外交に絡めてきた。米国も欧州も金融緩和や通貨引き下げに走り、悪化する経済を他国に押しつける。
表向きの自由貿易とは裏腹に、剥き出しの国家が経済の舞台に乗りだしてきた。「新重商主義が広がっている」と経済官僚は憂う。繁栄を求めて、貧困は他国に押しつける近隣窮乏化策は、第2次世界大戦の導火線ではなかったか。
前原さんの外交方針にその臭いを感ずるのは杞憂だろうか。
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