産休に入って、これから仕事を離れる１年間ほど何をしよう？と思った、私。
そりゃ当然「育児」なわけなのですが、正直、まだお腹の中にいる産前休の間は、育児と言われてもピンときません。

そこで産休前に思い立ったのが、「これからは中国語だ！この機会に勉強しよう」。テキストを買い込み、４月からＮＨＫラジオ講座を聴こうと決意しましたが、震災の影響で４月中の仕事が超多忙となり、ラジオ講座のスタートダッシュに失敗。さらに、周囲の先輩ママからは、「出産したら毎日ラジオ講座を聴くなんて絶対に無理！」と言われ、簡単に断念しました。（意志、よわっ！）

次に思い立ったのが、編み物。これは、私にとっては中国語以上にハードルが高いものでした。過去の自分を振り返っても、彼氏に手編みのセーターをプレゼントしたことなど一度もないし、これまでにも「女子たるもの編み物くらいやってみよう」と思い、毛糸とテキストを買っておきながら、そのまま放置して材料費をムダにしたことが何度もありました。

しかし！今回ばかりは違いました。『赤ちゃんのための初めてのニット編み入門』というテキストを片手に、見よう見まねで編み始めると、なんでしょう、これも「母の力」なのでしょうか、超不器用で編み物初心者の私が、途中で断念することなく、赤ちゃん用のベストと帽子を２週間ほどで編み上げたのです！


編み物のテキストは「初心者用」とありながら、一読してもわからないものばかり。これまでは説明を解読できなくなった時点であきらめていたのですが、今回は、テキスト通りではないものの自分なりに工夫して編み進めました。裾の方にヘンなたわみがあることや、若干左右に違いがあることはご愛敬。自分でも驚くほどの出来栄えで、完成しました！赤ちゃんを思うからこその母性が開花したのか、と思いましたが、多分、毎日会社に通っている時と違って、たっぷり時間があったからできただけでしょうね。

たっぷり時間があるって、すごいことです。最近は時間がある分、オムツやガーゼのハンカチ一枚買う時も、一体どこで買えば一番リーズナブルか、ということにやたらと意識がいってしまいます。ネットで価格を比較し、ちょっと遠いドラッグストアにも数百円安いお品を求め、歩いて買いに行くという執念を発揮しています。仕事をしているときは、効率的に買い物できることが最優先課題だったのに、随分変わりました。編み物をする自分や、リーズナブルな買い物に血眼になっている自分に、これまでにはない新たな一面を発見しています。

そう、ママ友たちと話していても、育児によって新たな自分を発見することは多いようです。のんびり屋だったのに育児のことになると役所に交渉しにいくほどの行動力を見せるママや、勉強なんてご無沙汰だったのに、放射能汚染について研究し病院や保育所とかけあうママもいます。「母は強し」なわけです。これから、育児を通して、私もさらなる新しい一面が開花するのではないか、と楽しみです。

さて、ベストと帽子の出来にご満悦だった私ですが、心配が一つ。ニットを着るようになるのは秋くらい。となると、すでに赤ちゃんってグングン大きくなっているらしいのです。もしかして、そのときにはすでにベストも帽子も小さくて入らないかも。。。やっぱりまだ、母としては半人前のようです。