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税金か国債かどうする復興財源
経済学者・小野善康×経済ジャーナリスト・荻原博子
構成 編集部 山田厚史 写真 今村拓馬
小野 被害総額から推計すると、復興に必要な公的資金は30兆から40兆円に上るでしょう。
阪神・淡路大震災での国の負担割合から類推して、政府は15兆~20兆円の財源が必要になる。
荻原 復旧だけでなく未来に向けた都市づくりまで考えれば、更に金額は膨らむと思います。
小野 復興のポイントは、とにかく迅速に十分な予算を執行すること。初年度に7、8兆円ぐらいは注ぎ込む。小出しにすると被災者も困るし、存続できる事業者がつぶれて経済被害も広がり、かえって復興費用が膨らんでしまいます。
荻原 非常時ですから国債でまとまった金額を調達すれば、迅速な対応が可能です。
小野 非常時だからこそ国債は危険です。今や発行残高は800兆円に達している。国債への信用が保たれている限り増発は可能ですが、大震災という打撃を受けた上に原発事故まであった。こういう危機的な状況だからこそ、安易な増発は国債の信用を脅かしかねない。信用の喪失は、崩壊してから気付く。リーマン・ショックだって怪しげな金融商品がまかり通る金融バブルの末に起きたのです。
荻原 市場での消化が難しいなら「日銀による国債引き受け」も検討すべきです。財政の節度を失うとして財政法で禁止されていますが、「特別の事由がある場合」は日銀が直接引き受けることを認めています。東北を新しい社会につくり直し、エネルギーインフラを一新する復興事業なら、あえて「禁じ手」を使うぐらいの覚悟が必要ではないでしょうか。
小野 いくら日銀が引き受けても、国債が積み上がって、税金で返さなければいけないことに変わりはない。だから国債への信用不安は同じで、おまけに日銀の信用まで危うくなる。今回の震災と原発事故は戦争にも匹敵する。こんなとき「禁じ手」はやめるべきです。復興予算は初年度ドカンと必要ですから、「つなぎ資金」として国債が必要になるのは理解できる。それでも、具体的に時期を示して「後で税金で返す」と増税とワンセットでやるべきですーー。
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