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私たちは生きている
齋門富士男が撮ったフクシマ20キロ圏内の犬
写真と文 齋門富士男
4月12日、福島第一原発の事故評価尺度が「レベル7」と発表された。原発20キロ圏内は事故直後から避難指示が出されていた。
人間や動物が暮らしていた場所は、どうなっているのだろう。4月16日、福島県いわき市から海岸沿いを走る国道6号で南相馬市に向かった。
富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、南相馬市小高区。通称「浜通り」と呼ばれる海辺の町は、地震と津波で破壊され、片付けられないまま、さらされていた。
破れたカーテンの奥には、ベッドメークされたまま、グシャリと歪んだ部屋、ハンガーに整然と吊るされた服、果実酒のビンが泥に半分、埋まって、そばには子供のランドセルがある。
何もかもが一度に目に飛び込み、聞こえないはずの誰かの声が聞こえるように思ったり、人影が背後を横切ったような錯覚に陥り、思わず振り向く。誰もいるはずもない。
生き物の鳴き声はおろか、気配すらない荒涼とした場所で、得体の知れない「放射能」という、見えない毒を、わずかでも吸い込むことの恐怖に震えながら、海辺に行っては、黙々と写真を撮り続ける。
救いようもないほど壊れ果てた風景の連続。「地球の終末の始まり」を見ているようだ。
疲れ果て、国道6号に戻ると犬がいた。道のど真ん中を、3匹がこちらに向かってくる。車を止めると、彼らも立ち止まり、じっとこちらを見つめている。 5メートルほどの距離。
「おいで、おいで」
とドッグフードを手のひらにのせ、中腰で呼びかけると、おそるおそる近づいてきて、一気に打ち解ける。近づくと、マスクをしていても犬臭く、生きている匂いがした。3匹とも突然、家族と離ればなれになり、途方にくれ、仲間と出会い、道連れになったというような様子だーー。
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